アザミ あざみ THISTLE thistle CIRSIUM cirsium アザミ観察記 あざみかんさつき アザミカンサツキ 北九州
1、はじめに
日本に産するアザミ属(Cirsium)は多いがその分類は難しい。
アザミの分類(分類表)の記載がある書物には下記がある。
1)杉本順一著 「日本草本植物総検索誌<双子葉篇>」
昭和40年(1960年)発行、六月社 ――67種
2)佐竹義輔外編 「日本の野生植物 草本 <Ⅲ>」
1981年発行、平凡社 ――51種
3)大井次三郎著、北川政夫改訂「新日本植物誌 顕花篇<改訂版>
1992年発行、至文堂 ――55種
4)岩槻邦男 外編 「Flora of Japan <Ⅲb>」
1995年発行 講談社 ――64種
記載の種類数に増減があるがその詳細理由は素人の筆者には判らない。現在は数十種程の新種が
記載されているので日本産のアザミは100種以上に達していると思われる。
上記の書物中で「 Flora of Japan」87 Cirsium (以後F/Jと略す)は、アザミのグループ分け
がなされ また全記載種の形態が漏れなく記されているので便利である。
筆者はアザミを日本各地で撮影してきた。 まだまだ未撮影種は多い段階であるが、今まで撮影
したアザミの写真をF/Jの分類に沿って整理してみた。
種類毎の写真は主に総苞、総苞片、茎葉の付き方に注目し、合せて観察事項を書いた。
また種の解説はF/Jおよび文献を参考にした。更にF/J発行以後発表された種類はF/Jの分類
グループに沿って取り扱った。
各アザミの解説事項と観察事項が一致していない場合がある。文献の解説は多くの腊葉標本
及び野外観察結果に基づきその種の形態を網羅的に記述している。観察事項は、筆者が見た1例
の内容であり、また時には間違いもあると思う。
今回は出来るだけ同一産地で撮影し、その時の観察事項を記した。産地が異なる時はその旨を記
した。(アザミは地域によりまた生育条件により固定化した変異になっている場合が多い)
2、アザミ観察記の見方
アザミの同定は図鑑等の分類表を利用して欲しいが 本アザミ観察記はその参考資料として用
いてもらいたい。
アザミ観察記は①解説②写真③観察事項の順に並べた。
アザミの記載順は下記の様にした。
1)F/Jの基本種の記載順序に従った。
撮影した基本種をF/Jの記載順(1〜64)に並べ一覧表にした。
(本ページ左上にある「アザミ一覧表」をクイックすると一覧表がでてくる。
表の種名をクイックするとその種の解説、写真並びに観察事項を見る事が出来る。
また変種、品種はその基本種の項で取り扱っている。
尚、未撮影種は種名を ひらがな で表記とし 解説のみ記した。)
2)基本種に似た種類(F/J記載以外)は次の様にした。
撮影した当該のアザミはF/J一覧表の基本種と同じ亜節の所で取扱った。
新亜節は適宜既存亜節に近いと思われる所に掲載した。
今回掲載した写真には稚拙もさることながら 撮影したフイルムの種類、デジカメの機種、更に
日照条件(色温度)で実際の色彩と異なっている場合がある。花の紫色は色再現が難しく、また
茎、葉の緑色はハレーションで実物と少し違った感じの写真になる。
また ここに取り上げた写真はその種の代表的な形態となっていない。あくまでも一例である。
この様に問題は多いが このアザミ観察記がアザミ好きの同行者の一助になれば幸いである。
尚、文献については北九州市自然史博物館にお世話になったので、ここにお礼を申し述べる。
■アザミ観察記
2015.03.31
3、更新履歴
1)完成 2014.3.20
2)更新1 2015.3.31…今年度は下記の8種類を追加した。
①テマリフジアザミ ②ヒュウガアザミ ③エゾノミヤマアザミ ④ツガルオニアザミ
⑤ハチマンタイアザミ ⑥イズモアザミ ⑦ハクサンアザミ ⑧ヒッツキアザミ
3)更新2 2016.4.30
新規①エチゼンアザミ ②キタカミアザミ ③サドアザミ ④ハグロサンアザミ
追加・差替 ①アッケシアザミ ②チョウカイアザミ ③ナンブアザミ
④ナンブタカネアザミ ⑤ホッコクアザミ
4)更新3 2017.4.30
新規①オオミネアザミ ②ザオウアザミ ③マツシマアザミ
追加・差替 ①ヨシノアザミ ②タチアザミ ③ギョウジャアザミ ④マルバヒレアザミ
5)更新4 2025.8.25
新規①テシオアザミ ②チカブミアザミ ③アサヒカワアザミ ④コバナアザミ