ホームはじめにアザミ一覧表 >38.チシマアザミ

アザミ あざみ THISTLE thistle CIRSIUM cirsium 

 

  多年生草本、0.2~2mH. 日本のアザミの中でもっとも変

  化が大きい。

  根生葉:花期には枯れている。

  下茎葉:高山帯や海岸の風の吹く所ではロゼット状に

      ついている。

  中茎葉:楕円形~披針形~広卵形~広楕円形、10~40

      cmL,4~20cmW,全縁~粗い歯牙縁~羽状浅~深

      裂、1~9mmLの鋭い針がある。基部は沿下して

      いる。

  花 期:7~9月。頭花は2~5個又は単一で下を向いて 

      いる。花柄は1~15cmL.

  総 苞:半球形~広鐘形、25~20mmL, 12~20mmφ(自然

      で)、クモ毛が拡がっている。

  総苞片:6列、(狭披針形~線状)半斜上~やや反曲

      した先端(1~2mmL)があり開出している。

  腺体 :存在しない。

  分布 :北海道 

      日当たりの良い草地、林縁。海岸~2,000m

Subsect.ⅩⅤ.Borealicola

38. チシマアザミ(エゾアザミ) C.  kamtschaticum 

■写真解説

  本種は変異が大きくモデル的個体を決めるのは難しい。

① これは夕張岳の高山帯(頂上付近)にてコンパクトな

  個体を撮影。

② ①の産地より標高の低い所ではかなり形状が異なる。

  中茎葉には耳片があり抱脚する。

③ 高山帯(夕張岳産)の個体の総苞。クモ毛は花柄には見ら

  れるが総苞には非常に少ない。総苞片は6列程度。


④ 層雲峡の個体。総苞片は草本状。

⑤ 上、中茎葉は楕円形(鋸歯)で柄がある。

⑦ 下茎葉は羽状中裂し耳片はない。



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■写真解説

  チシマアザミに頭花は似ているが 中茎葉の気部は抱脚し

 沿下する。チシマアザミは沿下しない。山地に多いが不明種   

 である。

①   北海道・然別の笹原で撮影。中茎葉は羽状中裂する。

② 総苞は広鐘形で紫色、クモ毛はは非常に少ない。総苞の径

  は長さとほぼ同じ位。総苞片は6列程度であまり反曲しない

③ 茎葉には葉柄に添って細い耳片があり 沿下する。

  茎には短毛がある。

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■写真解説

 大雪山高地の斜面には山地型?のチシマアザミがある。


① 大雪山黒岳登山道の斜面にて撮影。

  茎葉の形状は変化がある。

  右の個体は上部は全縁で 中茎葉は羽状中裂で短い葉柄。

  左の個体は上部でも羽状裂で葉柄は明確でない。

② 頭花やや総状花序に付く。葉裏にはクモ毛があり 帯白色

  に見える個体もある。

③ 総苞は半球形で緑色系、クモ毛は見えない。総苞片は6~7列

  で中間部より立ち上がる。

④ 中茎葉には耳片があり抱脚するが沿下しない。(①の左)

  (頭花はカムイアザミに似るが 茎葉は抱脚し

   チシマアザミの特徴を有する。)

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■写真解説

  チシマアザミに頭花は似ているが 茎葉は沿下し

 チシマアザミと異なる。(アッケシアザミかもしれない)

①根室市野付にて撮影。頭花が集合している。   

②総苞は鐘形で紫色。総苞片は重なり合い半開出する。

③中茎葉はやや抱脚し 沿下する。茎葉は中〜深裂する。 

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