多年生草本、0.2~2mH. 日本のアザミの中でもっとも変
化が大きい。
根生葉:花期には枯れている。
下茎葉:高山帯や海岸の風の吹く所ではロゼット状に
ついている。
中茎葉:楕円形~披針形~広卵形~広楕円形、10~40
cmL,4~20cmW,全縁~粗い歯牙縁~羽状浅~深
裂、1~9mmLの鋭い針がある。基部は沿下して
いる。
花 期:7~9月。頭花は2~5個又は単一で下を向いて
いる。花柄は1~15cmL.
総 苞:半球形~広鐘形、25~20mmL, 12~20mmφ(自然
で)、クモ毛が拡がっている。
総苞片:6列、(狭披針形~線状)半斜上~やや反曲
した先端(1~2mmL)があり開出している。
腺体 :存在しない。
分布 :北海道
日当たりの良い草地、林縁。海岸~2,000m
Subsect.ⅩⅤ.Borealicola
38. チシマアザミ(エゾアザミ) C. kamtschaticum
■写真解説
本種は変異が大きくモデル的個体を決めるのは難しい。
① これは夕張岳の高山帯(頂上付近)にてコンパクトな
個体を撮影。
② ①の産地より標高の低い所ではかなり形状が異なる。
中茎葉には耳片があり抱脚する。
③ 高山帯(夕張岳産)の個体の総苞。クモ毛は花柄には見ら
れるが総苞には非常に少ない。総苞片は6列程度。
④ 層雲峡の個体。総苞片は草本状。
⑤ 上、中茎葉は楕円形(鋸歯)で柄がある。
⑦ 下茎葉は羽状中裂し耳片はない。
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■写真解説
チシマアザミに頭花は似ているが 中茎葉の気部は抱脚し
沿下する。チシマアザミは沿下しない。山地に多いが不明種
である。
① 北海道・然別の笹原で撮影。中茎葉は羽状中裂する。
② 総苞は広鐘形で紫色、クモ毛はは非常に少ない。総苞の径
は長さとほぼ同じ位。総苞片は6列程度であまり反曲しない
③ 茎葉には葉柄に添って細い耳片があり 沿下する。
茎には短毛がある。
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■写真解説
大雪山高地の斜面には山地型?のチシマアザミがある。
① 大雪山黒岳登山道の斜面にて撮影。
茎葉の形状は変化がある。
右の個体は上部は全縁で 中茎葉は羽状中裂で短い葉柄。
左の個体は上部でも羽状裂で葉柄は明確でない。
② 頭花やや総状花序に付く。葉裏にはクモ毛があり 帯白色
に見える個体もある。
③ 総苞は半球形で緑色系、クモ毛は見えない。総苞片は6~7列
で中間部より立ち上がる。
④ 中茎葉には耳片があり抱脚するが沿下しない。(①の左)
(頭花はカムイアザミに似るが 茎葉は抱脚し
チシマアザミの特徴を有する。)
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■写真解説
チシマアザミに頭花は似ているが 茎葉は沿下し
チシマアザミと異なる。(アッケシアザミかもしれない)
①根室市野付にて撮影。頭花が集合している。
②総苞は鐘形で紫色。総苞片は重なり合い半開出する。
③中茎葉はやや抱脚し 沿下する。茎葉は中〜深裂する。
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